なぜ位置情報が熱いのか
各社が位置情報に取り組んでいるのにはいくつか理由があります。
位置情報を記録するおもしろさ
一つには,単純に「おもしろいから」という理由が挙げられます。GPSなど位置情報を取得できるデバイスが一般に普及し,道行く人はどこでもインターネットに接続しながら,自分の居場所を緯度経度で取得できるようになりました。
これまでのネット上では,「渋谷なう」など,単純なテキスト情報でしか共有できなかった場所情報が,数値化されて共有で きるようになったのです。各社のサービスでも提供されていますが,「自分の近くにいるともだち」や「同じ場所に訪問しているユーザー」など,「場所」「位 置」を軸にサービスを提供することで,ユーザーはこれまでにない体験をすることができます。G-BRIDで自分の行った場所で淡々とイマココしていくだけで も,後日自分の行った先を地図上で振り返ることができます。
デバイスの普及
また,「位置情報を取得するのが容易になった」という理由も挙げられます。携帯電話やスマートフォンはもちろんのこと,最近のWebブラウザではJavaScriptを使って,位置を取得することができます。
街中を歩いているときでも,家の中でパソコンに向かっているときでも,自分の位置情報を簡単に取得できるというのは,ちょっと前にはできないことでした。
新しいビジネスの可能性
そして,そこに「新しいビジネスの可能性があるから」という理由が挙げられます。Googleが検索クエリに対して,適切な広告を返すように,もっとローカルな位置情報に対して,ユーザーに響く広告を返すことができます。
例えば,午後12時頃に,繁華街を歩いていると位置情報サービスから,「近くに焼肉ランチが20%オフの店があります」 という通知が来るというようなケースです。あるいは,銀座の街中を観光していて,どういうルートで観光したら良いか迷ったときに「銀座に来た人は,アバクロに行っています」というレコメンドを出すこともできます。重要なのは,実際に銀座にいる人に対して,そのレコメンドを提示できるという点です。時間や場所を組み合わせて,何らかの情報をユーザーに提供できるというのは,かなり強力です。